コンタクトレンズ 格安の情報掲載
数年前の出来事ですが、以前こんなことがありました。
外来にいらしたのは、弛代の真面目な男性のサラリーマンでした。視界がぼやけて、眼が極度に疲労しやすく、せいぜい午前中しか仕事ができないと訴えて来院しました。
当初、矯正視力は右0.3、左0.4でしたが、眼には視力低下を説明できる病変がなく、経過観察のみ行っていました。さて、厚生労働省の平成加年患者調査によると、気分障害は100万人を超え、自殺率は10年連続上昇しています。
また、不眠、不安、適応障害などにより薬物を利用している人は、当該薬物の消費量から、日本では数百万人に及ぶと見られています。その背景には、さまざまな要因が考えられますが、市場原理優先、競争社会で個性を認めにくい日本の社会構造、経済的にも心理的にも余裕を失っている地域社会、それに付随した学校教育、家庭教育の混迷などが指摘されています。
ところが、やがて会社を休職し、ある朝起きられず、「死」を口にするようになったと、患者さんの家族から電話がありました。そこまでとは思っていなかったのですが、これは私の手にはもはや負えないと考え、すぐに紹介状を書くから取りに来てほしいと言い、指定する精神科に行くよう指示しました。
診断はうつ病でした。約8ヶ月の治療で回復が見られ、視力は0.8程度に留まっていたものの、「視力低下」の自覚はほとんど消失し、復職を果たしたのでした。
視界のぼやけがうつの初期サインのこともありうることを学んだ、貴重な臨床経験となりました。現代人は、好むと好まざるにかかわらず、複雑な視環境の中で眼を酷使し、長い出口の見つからない不況の影響もあって、社会や個人は目標も余裕を失い、負担ばかりのしかかる事態に遭遇しているように見えます。
そこに生ずる歪みは、どうしてもひとりひとりの心身にまで及びます。とりわけ高度で繊細な器官である眼は、こうした場合に症状として表現されやすい、しかし見落とされやすい部位のひとつになるのでしょう。
このように、今日の働き盛りの成人は、人間の歴史上、これまでになかったほど複雑で、過酷な状況に放郷されています。だからこそ、現代という時代の括りの中で、自身の、心身の処し方、そして眼に対してもその健康の保ち方を、新たに編み出してゆかなければならなくなったと言えるのではないでしょうか。
N教育テレビが「E」という番組を2010年5月に放送しました。被害者の眼科検診を行った感想を聞かれた私は、取材でこう答えています。
放送されたほぼそのままを、以下に引用します。どうせこんなことを言っても相手にされないだろうというふうに諦めている潜在的な被害者もまだたくさんいるんだろうなとは思いますけれども、そんな中におそらく、一生懸命見つけていけば、確かにサリンが原因だったという人がまだ埋もれていると思います。
犯罪被害者救済法がようやくできて、被害者への給付が成されるようになりましたが、これが2010年までの申請に限られているところが、私は不満です。被害者を100パーセント把握している保証はありません。
現時点で、この基準に適合すると私が判断したのは数例ですが、上記検査期間以後にもそう判断した患者さんは若干増えています。さらに、残りの関連を否定できない人たち、当初異常なしとされたが、実は今日の検査法で異常を検出できなかっただけという人々をどうするのかという難問が残り僕が正常だと言った人は全部正常かというと、そうではないんですね、実は。
たとえば、白内障や老眼は誰でもなります。けれども、それが起こった時に、その人たちが医学的には正常な変化であっても、あのサリン事件の記憶に戻っていってしまう。
こういう、そこのところがもう正常じゃないというのかな、普通の人たちには起こらない物の考え方というのかな、サリン被害者特有の考え方の方向性だと思うんですよね。そういうふうに考えなければならないということ事体はやっぱり被害者そのものであって、気の毒なことだというふうに思わざるをえないですよね。
みんな、医学的に異常でないと言うと正常だと思うけれど、そういう意味ではなくて、被害者みんなが不健康になってしまったというか、健康被害にあったというふうにも考えられなくもない。つまり、そういう心の問題が残っています。
本当に出口のない辛い思いをしている、そのことは私たちとしては知っておかなくてはいけないことだと思います。そもそも人類がサリン被害を受けたのははじめてですから、これに関する教科書的知識はないに等しいのです。
従って、どういう障害がいつ出るか、誰も知らないわけですし、臨床、つまり病気の診断のために発達してきた現代の検査法や診断法を用いて、この未知の異常をどれだけ正確に、把握できるのかはわからないのです。このテレビ番組でも、サリン事件から何年も経過してから症状が出現したり、悪化したりしたケースを取り上げていました。
けれども、この期限を定めた救済法は、毒物に接触したずっと後に出現してくる「晩発異常」の可能性をはじめから排除しているということになります。また、医学の知識、検査法の進歩であとから、「あの時点では正常と判断したが、実は異常ではなかったか」と判断が変更される可能性があるということを全く考慮していないという、大きな欠点があります。
このような未知の中毒が生じた場合、本当は予断を許すことなく、虚心坦懐に症例を診て、訴えの正体は何なのか探求することが医師の真の使命であると思います。ところが残念ながら、臨床で経験したり、本で勉強したりしたことには強い医師も未知のものは苦手なのか、拒絶的だったりする傾向があります。
診ても短絡的に「異常なし」とか「気のせい」といって軽視し、その使命を自ら放棄してしまっていると思われるのです。それでは被害者は救われないし、外傷医学、中毒医学の進歩も望めません。
自分のことを振り返っても、単に私の知識不足、考察不足のために、症状をサリンと関連が低いと診断した例がもしかしたらあるかもしれないし、今日の医学の診断能力の限界もある。それでも、短絡的に「気のせい」「心因性」などと片付けるのは、医学という科学を拠りどころとしています。
ところで、「眼臓けいれん」という病気をご存じですか?病名を聞くと、険がけいれんするような印象を受けます。「ああ知ってるよ、険のあたりがピクピクする病気でしょう」と言う人もいるかもしれません。
でも、それは違います。過労や睡眠不足になると、上験や下険の筋肉が虫が走るようにピクピクと波動することがあり、これはかなり多くの人が経験しています。
「眼臓ミオキミア」という現象ですが、この動きは、験の周辺のごく一部に限られていて一度なると癖のように繰り返し起こります。ただ、ピクピクする範囲が広がることはありません。
眼険けいれんをこのように単に険がピクピクする病気だと思っている不勉強な医師もおりますが、「眼険けいれん」は全く別の病気です。この場合「けいれん」の意味は、勝手に余分な瞬きが出てしまう、眼を開けようとしてもうまく開けられず、意志に反して瞼が閉じてしまうことです。
こうした患者さんたちは概して随意瞬目(自分の意志で瞬きすること)が楽にできません。重症な人は、験を開けたり閉じたりしようとすると、口の周りや口の中の筋肉が勝手に動いてしまうこともあります。
最初は、眼が乾いた感じ、舷しい感じ、瞬きが多くなった感じ、眼が疲れる感じなどが出て、眼科に行きますが、たいていドライアイか眼精疲労ということになって、点眼薬などが処方されます。
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